「公務員にスキルなんていらないでしょ」
と思っているそこのあなた!
民間企業と多少の違いこそあれ、公務員にも必要な能力は存在します。
今回は市役所に10年間勤めている私が考える、公務員に必要な能力を4つご紹介します。
現役公務員の方はもちろんのこと、公務員を目指している方も必見の内容になっておりますので、ぜひご覧ください!
分かりやすく伝える能力
個人的に最も大事なことだと感じています。
窓口で「あなたが言っている意味が分からない」と言われたりした経験はありませんか。
私自身、実際に窓口で受けたことがありますし、見かけることがよくあります。
公務員という特性上、ある程度は仕方がないことかもしれませんが、クレーム対策として
「私、〇〇(専門用語)といいましたよね?」と専門用語をそのまま市民の方に伝える方が職員でもいらっしゃいます。
これでは「伝えた」だけで「伝わった」とは到底言うことができません。
テクニックは色々ありますが、1つは「なるべく専門用語を使わない」ことです。
専門用語を使わずに、別の言い方に変換しましょう。
中学生にも伝わるような話し方を意識することがオススメです。
例)〇〇(専門用語)は持っていますか?
→病院に行ったときに保険証と一緒に出す、〇〇色で文庫本サイズの証明書のようなものは持っていますか?
その他のテクニックについては、また別の記事で紹介しようと思いますが、まずは「なるべく専門用語を使わない」を覚えてください。
クレーム対応能力
公務員はクレームが多い職業です。
クレームの内容は様々ですが、共通して言える対応としては「まずは相手の言い分を聞くこと」 です。
相手は自分の意見を言いたいから話しているわけで、途中で話を遮ってしまうと「なぜ自分の話を聞かない」とさらにクレームが発展していくケースが多いです。
話している内容がどのような内容かは関係ありません。
まずは相手の話に耳を傾けるようにしましょう。
こちらが話し始めるのは、相手の話が終わったタイミングです。
そこからクレームの事実内容の確認や、今後の対応を話し合っていくことになります。
クレームがきたらすぐに上司に対応をお願いする職員がいますが、これはオススメできません。変わってほしい気持ちは分かりますが、それでは自分の成長につなげることはできないからです。
クレーム対応能力は、正直「慣れ」の部分が大きいです。
どんどん引き受けるくらいの気持ちでいきましょう。
実際、私がクレームを受ける場合は、自分から声を掛けるのではなく上司から出てくるまでは自分でクレームは対応を続けます。
対応後に「100%納得はできないけど伝えたい気持ちは分かった。ありがとう。」と言われた時には、すごいやりがいを感じた瞬間もありました。。
文章作成能力
公務員は文章が書く機会が非常に多いです。
正直なところ、私は文章を書くことが苦手です。笑
文章に厳しい上司の時は、起案分や議事録が真っ赤に返ってくることがザラにありました。
そんな私が見つけた、少しでも文章を書くことができるコツを紹介します。
「誰が見ても解釈は同じ文章」「一度読むだけで頭に入ってくる文章」を書くことです。
「主語を明記する」「長い就職後は先に、短い就職後は後に」など、テクニックを意識するとキリがありませんが、まずはこれを意識しながら文章を書いてください。
また、時間に余裕があれば、作成した文章を翌日に再確認するのもオススメです。
リセットした頭で読むことで「あれ、何か違うな」と感じる場面がでてくるかと思います。
また、公文書の書き方は突き詰めていくと、かなり細かいです。
例)「とおりの使い分け」
・以下のとおり(~のように)
・3通りの方法。(種類や手順)
正直なところ、公文書の書き方まで教えてくれる上司は中々いません。
というよりも上司自身も知らない可能性が高いです。
そんな時は、「分かりやすい公用文の書き方(礒崎陽輔/著」を参考するのが一番オススメです。
これを読みながら公文書を作成すると、時間はかかりますが文書作成能力がどんどん上昇していきます。
リーガルマインド
法律を読み解く能力のことです。
公務員の仕事はほとんどが法律に基づいて行われています。
よって、法律を読みこなすことができなければ、仕事ができているとは言えません。
審査請求された場合、法律に基づいて適切に行政処分が行われているかは非常に重要になります。その時に「法律を読み違えて誤った処分をしていまっていた」と
「前例を踏襲しただけなのに」などの言い訳も通用しません。
こういったことを起こさないためにも、
ではどうすればリーガルマインドが身につくのか。
「〇〇法第〇条に基づき・・・」のような文章をよく見ると思いますが、毎回その法律をチェックするようにしましょう。
法律をチェックしていると「この用語の意味って何だろう」と疑問に感じる箇所が出てきます。
その度に意味を理解するようにしているとリーガルマインドは自然と磨かれていきます。
時間がある方であれば、行政書士の資格取得にチャレンジしてみるのも良いかと思います。私自身独学で試験に合格しましたが、行政法だけでなく民法も学ぶことができ、法律の理解が一層深まったと感じています。